まともな理性、知性  
2014年9月22日
三鷹バス痴漢冤罪事件勝利判決報告会
 2014年9月13日、三鷹バス痴漢冤罪事件の勝利判決報告会が開催されました。この事件については、2013年8月19日、2013年8月26日、当ホームページで生江尚司さん(弁護士)に「三鷹バス痴漢冤罪事件を支援する(その1)」 、「三鷹バス痴漢えん罪事件を支援する(その2)」を語っていただきました。この事件の第一審は、被告人・津山正義さんを有罪としましたが、2014年7月15日に第二審で無罪となり、確定しました。
 報告会では、この裁判の弁護人を務めた今村核弁護士が、この裁判の意義を報告しました。それは、戦後の刑事裁判をめぐる動向の分析を含むものでした。
 今村弁護士は、2009年から、1980年代の「最高裁判決による『事実認定適正化の第一の波』」に続く、「第二の波」が生じていること、それは裁判員制度の実施が最高裁の判決に影響を及ぼし、無罪判決の増加となっていること、などを明らかにするものでした。もっとも、刑事裁判は全体的には、驚くほど簡単に有罪判決が出される状況が変わっていないことも指摘しています。
 このような状況の中で、今村弁護士は某論文で、この二審判決について、「ようやく、まともな、理性、知性が裁判所に残されていることが示された」と評しています。(H・O)

今村核弁護士には、以前当ホームページ2012年7月17日「日本の刑事裁判について思うこと」を語っていただきました。