罰金  
2009年12月28日
 刑事罰としての罰金は科料とともに財産刑に分類され、罰金は1万円以上、科料は1000円以上1万円未満の金額の違いによって区別されます(刑法15条、17条)。いずれも完納しない場合は労役場に留置されます(罰金は2年以下、科料は30日以下の期間 同18条)。罰金刑の存在意義は、犯情が比較的軽い犯罪者に対し、短期自由刑(懲役・禁固)による社会的隔離の弊害を回避し、同時に刑務所の維持管理に要する労力と費用を省くことにあります。罰金刑の9割は交通事犯に適用されており、手続上も公判を開かない略式起訴による場合がほとんどです(なお、交通反則金は行政罰の「過料」です)。
近年、窃盗罪と公務執行妨害罪に罰金刑が新設されましたが、これは万引きや警官への暴行事件の増加に対応して、従来起訴猶予で処理されていた場合にも刑罰を科すことを目的としたもので、厳罰化傾向を示すものといえます。