保護観察  
2009年12月21日
 犯罪を犯した人を刑務所や少年院といった矯正施設に収容せずに、社会内で適当な指導者の指導監督の下に、自発的な改善更生、社会復帰を促進する制度が、「保護観察」です。
現行法の元での保護観察には、様々なものがありますが、大別すると、矯正施設に収容することなく更生を図るものと、矯正施設から釈放された人を対象とするものがあります。
矯正施設に収容しない保護観察としては、まず、執行猶予を言い渡された人を対象とするものがあります(刑法25条の2)。執行猶予判決を言い渡す場合、裁判所は、保護観察に付するかどうかを決めることになります。保護観察に付されなければ、完全に自力での更生が期待されることになりますが、保護観察に付されると、通常、地域社会の篤志家から選任された保護司と呼ばれる人の元に、定期的に生活状況を報告するなどして指導監督を受けながら執行猶予期間を過ごし、それによって更生を図っていくことになります。この外、少年法上の保護処分としての保護観察もあります(少年法24条)。
他方、矯正施設から釈放された人を対象とする保護観察としては、懲役などの刑の執行をうけたものの満期に至る前に仮釈放された人、少年院を仮退院した人などに対するものがあります。
なお、少年法上の保護観察や、仮釈放者、仮退院者の保護観察の場合も、通常、保護司が担当することになります。