鼎談・論稿「証拠開示」 筆者:T・S
2014年12月1日
 2014年7月、「法制審議会 ― 新時代の刑事司法制度特別部会」が採決した「最終とりまとめ」のうち、証拠開示について批判的に検討するものです。
 まずは、2013年8月の時点での、この問題についての田淵浩二・九州大学教授、岡慎一・弁護士、白取祐司・北海道大学教授の鼎談です。ここでは、2004年の刑事訴訟法改正による証拠開示の拡充と問題点、裁判員裁判における証拠開示の評価、裁判員裁判に付されない一般事件における証拠開示の状況や課題、再審における証拠開示をめぐる問題状況、証拠開示の今後の展望などが話されました。
 論稿は、白取教授がこの鼎談以降の特別部会や作業部会での議論や2014年7月に採択された「最終取りまとめ」について、事前全面開示を求める立場から批判的に検討したものです。
 検察官が証拠の存在を隠したり、あるいは改ざんすることによって冤罪被害者が生まれる例が相次ぎました。この問題を深く考える上で有益な論稿です。

 この論稿は『刑事司法改革とは何か 法制審議会特別部会「要綱」の批判的検討』(2014年9月、現代人文社)に収載されています。