論稿「『発達障害』と刑事司法」最終回 筆者:H・O
2013年2月18日

 雑誌「世界」の連載の最終回です。前3回については下記で紹介しました。
 第1回
 第2回
 第3回
 発達障害・精神障害をもつ人が犯罪の加害者として裁かれる時、障害の状況も適切に考慮して判断されるべきです。そして刑に服することになった場合も、その人の将来の更生にとってより適切な処遇がはかられるべきです。
 現在各都道府県には地域生活定着支援センターが置かれ、受刑者が刑務所から出所した後の生活支援にあたっています。その中にも発達障害や精神障害をもつ人はおり、その人たちへの支援にもたずさわっています。連載の最終回では、この地域生活支援センターの現状が紹介されています。
 また、後藤弘子教授(千葉大学)への取材の結果も紹介しています。刑事裁判では事実が認定され、加害者には反省が求められることになりますが、果たしてそれは当事者たちに本当に納得できるものになるとは限りません。発達障害・精神障害をもつ人たちが裁かれた場合には、特に違和感を感じることが多いかもしれません。彼ら・彼女らに犯罪を繰り返させないような刑事司法や刑事処遇のあり方があらためて検証される必要があるでしょう。そのようなことが語られています。
 この論稿は月刊誌「世界」(岩波書店)2013年2月号に収載されています。