書籍『えん罪原因を調査せよ』(その2) 筆者:H・O
2012年10月15日

 この本のサブタイトルは「国会に第三者機関の設置を」です。2011年1月、日弁連がえん罪原因調査究明委員会の設置を求める意見書をまとめました。この本の出版は、この究明委員会設置の実現を求めるとりくみの一環となります。
 くり返されるえん罪についても、その事件の捜査や裁判、弁護活動などを第三者が調査・検証する機関を国会に設置せよと訴える内容となっています。日弁連の意見書が出された後、東日本大震災が発生しました。そして、その時の政府などの原発事故対応などを検証しようと国会に福島第一原発事故調査委員会が設置されました。志布志事件、氷見事件、足利事件、郵政不正事件等々の重大なえん罪事件についても第三者機関が検証すべきと力説されています。
 指宿信教授は第三者機関の基本的な意義などを、小池振一郎弁護士はえん罪を生んでいる刑事司法の問題点などを、泉澤章弁護士は第三者機関に求められることなどを、木下和朗教授は第三者機関に関わる憲法問題などを説いています。

<つづく>

 
【書籍情報】
2012年9月、勁草書房から刊行。編著者は日弁連えん罪原因究明第三者機関ワーキンググループ。定価は本体2,300円+税。