書籍『検察 −破綻した捜査モデル』(その1) 筆者:H・O
2012年8月27日

 利権を漁る政治家や悪徳業者の横暴を許してはなりません。特捜検察はそのような国民の期待を担っていると多くの国民が認識していました。ところが、2009年に大阪地検特捜部が郵政不正事件で証拠の改ざんをし、小沢・民主党元代表の政治資金規正法違反事件の捜査も各界から厳しく批判されることになり、いま特捜検察、そして検察は大きな岐路にたたされています。
 この本は長年新聞記者として特捜検察を取材してきた村山治さんが、その経験をふまえながら、特捜検察をめぐる変化の背景やその改革の課題について綴ったものです。
 第1章「諸悪の温床『取り調べ』」は、日本の警察・検察の捜査がいかに取り調べに偏重しているのか、その問題点を深く、そして歴史的に解明しています。
 ここでは、今世紀に入ってからの司法制度改革によって国民の司法参加が実現したことが、検察の取り調べをめぐる状況を大きく変えていることとその意義も明らかにしています。

<続く>

 
【書籍情報】
2012年8月、新潮社から新潮新書として刊行。著者は村山治さん(朝日新聞編集委員)。定価は740円+税。