講演録「裁判所、裁判官に関して思うこと」 筆者:H・O
2012年1月16日

 当サイトでもご案内した、30人の元裁判官の講演録集『日本国憲法と裁判官』の出版記念イベント(2010年11月3日)での元最高裁判事・園部逸夫氏の講演録です。
 「司法の危機」の頃(1970年前後)の裁判所内の青法協アレルギーは異常だったこと、日本の裁判所はもっと国民に近づく努力をすべきこと、裁判所の制度が大胆に見直されることも必要であること、等々についての率直な問題意識を語るものとなっています。
 日本でも法曹一元制度が検討されるべき、最高裁で憲法に忠実な判断が増えつつあることは評価されるべき、というようなことも述べています。
 園部氏はもともと大学の学者でした。その経験との対比しながら裁判所と裁判官をめぐる問題状況を分析していますので、そこには新鮮な響きがあります。諸外国の状況も紹介してくださっています。
 この講演録は「法学館憲法研究所報」第5号(2011年7月発行)に収載されています。