書籍『裁判 おもしろ ことば学』 筆者:H・O
2011年11月7日

 多くの人が、裁判、法律、司法に関わる言葉をとっつきにくく思っています。どこの業界にも業界用語がありますが、法律関係の業界用語は一番わかりづらいと言えるかもしれません。言語学者である著者が、いろいろな法律の条文の中の、あるいは判決など裁判で出てくる文書の中の、法廷で法律家たちが交わす会話の中の、わかりづらい言葉、奇妙な言葉、等々を指摘し、その意味を解説しつつ、よりわかりやすい言葉に直していこうと問題提起しています。
  市民が法律問題に直面するとき、それが人生に大きな影響を及ぼす場合が出てきます。したがって、できるだけ市民も基本的な法律の知識は身につけておきたいものです。しかし六法全書を読み始めたら、普通の市民は嫌になってしまうのではないでしょうか。その点、この本は裁判や法律のことを面白く学ぶことができます。「善意の第三者」「未必の故意」等々、知っておいた方が言葉はたくさんあります。
  裁判員制度の下で、裁判員に選ばれた市民には特段の法律知識は不要で、自らの常識にもとづいて判断すればよいのですが、しかし、最低限の法律知識は身につけておきたいものです。

 
【書籍情報】
2009年、大修館書店から刊行。著者は大河原眞美・高崎経済大学教授。定価は本体900円+税。