再審開始決定の確定めざして
−福井女子中学生殺人事件
 
2014年2月10日
福井女子中学生殺人事件学習会
 1986年、福井市で女子中学生が殺害される事件が発生しました。警察の捜査は難航しましたが、事件から1年後、暴力団員の「供述」から前川章司さんを逮捕しました。前川さんは一貫して無実を主張し、第一審の福井地裁は前川さんを無罪としました。ところが、名古屋高裁金沢支部は逆転有罪判決を言い渡し、最高裁も第二審を追認しました。刑務所を満期で出所した前川さんは再審請求し、2011年、名古屋高裁金沢支部は再審開始決定をしました。しかし、2013年、名古屋高裁本庁はそれを取り消し、現在前川さんと弁護団は再審開始を求めて最高裁でたたかっています。
 1月27日、東京都内でこの事件についての学習会が開催され、吉村悟弁護団事務局長が裁判所の判断の問題点などを解説しました。吉村弁護士は、前川さんを犯人とする証言者の証言が二転三転し、もはやその証言を証拠に前川さんを犯人とすることは不可能であることなどを強調し、再審開始決定が早期に確定されるべきことを力説しました。こんにちの刑事司法の問題点がこの事件にも現れていると思われます。(H・O)
 
*福井女子中学生殺人事件で犯人とされた前川さんに、以前当サイトで「主の平和 −私は犯人ではありません」と語っていただきました。また、村井敏邦の「刑事事件・裁判考」でも下記ページでこの事件・裁判を紹介しましたので、ご案内します。
  福井市女子中学生殺害事件の再審開始(その1)
  福井女子中学生殺害事件の再審開始(その2)〜福井女子中学生殺害事件と証拠開示