自らの人権感覚を問い返す − 狭山事件の再審を求める市民の集い(5/13)  
2013年5月20日
H・O
 5月13日、「狭山事件の再審を求める市民の会」主催の集いが東京都内で開催されました。
 1963年5月1日、埼玉県狭山で女子高生が殺害され、別件逮捕された石川一雄さんが「自白」し、裁判で無期懲役が確定しました。石川さんは、「自白」は兄をかばう気持ちを利用した強要によるものだったと主張し、無実と再審開始を訴えてきました。事件から50年という節目の催しでした。
 集いでは作家・落合恵子さんが講演しました。落合さんは、狭山事件の捜査や裁判の経緯からも、取調べの全面可視化、証拠の全面開示、代用監獄の廃止、などが必要だと語りました。同時に、冤罪を生まない社会にしていくためには、市民一人ひとりが自らの人権感覚を問い返す重要性を訴えました。人が差別され、人権が踏みにじられている状況は多面的であり、人は無意識のうちに他人の人権を踏みにじる言動をしてしまう弱さを持っている、そのことを自覚することが大切だという落合さんのお話しは、多くの参加者の胸に突き刺さったと思います。
 集いでは石川さんの弁護団から再審をめぐる状況も報告されました。裁判所がようやく証拠開示を検察に命じるようになりつつあり、少し光が見えてきたことも語られました。

 今秋、狭山事件についてのドキュメンタリー映画「みえない手錠をはずすまで(仮題)」が完成する予定です。以前、この映画の監督・金聖雄さんのインタビュー記事を当ページに掲載しましたので、ご案内します。こちら@A