不公正な裁判に立ち向かう − 袴田事件で考える  
2012年12月17日
袴田ひで子さん全国スピーキング・ツアー

 2012年12月9日、袴田ひで子さん全国スピーキング・ツアーの東京での講演会が開催されました(主催はアムネスティインターナショナル日本)。
 袴田事件とは1966年に静岡県清水市(現静岡市)で発生した、みそ製造会社専務の一家4人殺人・放火事件のことです。みそ製造工場に住み込みで働いていた袴田巌さんがその犯人として逮捕・起訴され、死刑判決が確定しました。公判で一貫して「犯行」を否認してきた袴田さんは、いま第二次再審請求中です。
 これまで裁判所は袴田さんの無実の訴えをことごとくはねつけてきましたが、いま新たな局面を迎えています。これまで検察は、袴田さんの「犯行」時の着衣を有罪の証拠としてきたのですが、その着衣はDNA鑑定によって袴田さんのものではないという鑑定結果が出されたのです。
 司法制度改革の中で、検察が持っている証拠の開示が広がりつつありますが、そのことで袴田事件の裁判においても事態が大きく変わる可能性が出てきています。
 「不公正な裁判に立ち向かう」としてアムネスティインターナショナル日本が実施したこの企画で、袴田さんの姉・ひで子さんは拘置所に収監されている死刑囚・巖さんを「一日も早く出してあげたい」と支援を訴えました。

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