「WEB 市民の司法 〜裁判に憲法を!〜」 は、裁判が日本国憲法にもとづいて行われることを望み、法学館憲法研究所(所長:伊藤真)と「司法改革・市民フォーラム」(代表:大出良知・東京経済大学教授)が共同で運営します。
 
2017年8月17日(木)
【村井敏邦の刑事事件・裁判考(71)】
共謀罪を支える議論とその淵源
村井敏邦さん(一橋大学名誉教授)
 
 前回は、共謀罪法を支える日本の刑法理論について論じました。今回は、日本における共謀罪法の歴史をみてみましょう。

日本における最初の共謀罪規定
 英米に起源のある「conspiracy」(共謀)の日本への上陸は、爆発物取締罰則が最初です。爆発物取締罰則は、過激化する自由民権運動に対処するために、イギリスの1883年爆発物法(Explosive Substances Act 1883)に摸して、明治17年太政官布告第32号として制定されました。その第4条は、「第1条ノ罪ヲ犯サントシテ脅迫教唆煽動ニ止ル者及ヒ共謀ニ止ル者ハ3年以上10年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス」として、爆発物使用を共謀した者を処罰することにしています。 …